クランクイン!
  •  自己否定を抱えながら生きてきた少女が、初めて自分をまっすぐに見つめてくれる存在と出会い、少しずつ本来の輝きを取り戻していく――。テレビアニメ『無自覚聖女は今日も無意識に力を垂れ流す』は、孤独や憎しみ、劣等感といった痛みを繊細にすくい取りながら、その先にある救いと成長を描く愛の物語だ。本作でカロリーナを演じる高橋李依、エドワードを演じる古川慎、フローラを演じる白石晴香にインタビュー。3人が感じた作品の魅力、キャラクターに込めた思い、そしてタイトルにちなみ、互いの“無自覚だけどすごいところ”について語り合ってもらった。
    ■自己否定の先にある救い――3人が語る、痛みを抱えたキャラクターたちの魅力
    ――本作に触れた時の第一印象をお聞かせください。
    高橋:私が最初に本作に触れたのは、PVのお話をいただいた時でした。その時から、カロリーナとエドワード、2人のピュアな距離感がすごく好きで。収録の際にも、「この2人の距離感が本当にいいですよね」と、すぐ古川さんにお話しした記憶があります。それくらい、2人の純粋さが愛おしかったんです。
    一方で、それぞれが抱えている自己否定や自信のなさが、恋愛にも絡まっていくところが印象的でした。お互いに惹かれ合っているのに、なかなかうまくいかない。そのもどかしさに「どっちの気持ちもわかる」と思えて、だからこそ見守りたくなる。甘さだけではなく、痛みや不器用さも含めて丁寧に描かれているところに惹かれましたし、そうした繊細な塩梅が、この作品の面白さだと感じました。
    古川:ジャンルとしては、いわゆる悪女もの、あるいは令嬢ものと言われる作品のひとつではあると思うんです。ただ、その中でも、他者に向けられる憎しみや、湿度のある感情の描写がすごく濃い作品だなと感じました。たとえばカロリーナは、そうした感情を受ける側として描かれますよね。その痛みや生々しさが強ければ強いほど、その先にある救済の道が、より華々しく、輝かしいものに見えてくる。
    そこから這い上がっていく美しさのようなものが、この作品にはあると思いました。それぞれのキャラクターが、生々しい感情の中でどう変わっていくのか。あるいは、変われないことがどれほど悲しいことなのか。そういった部分も伝わってくるので、恋愛や成長の物語としてだけでなく、すごく多面的な読み方ができる作品だなと感じました。
    白石:私が初めて原作を読ませていただいたのは、出演のお話をいただいた時でした。カロリーナは自己否定を抱えながら生きている人物ですが、そうした考え方って、これまで自分がどう生きてきたのか、どんな環境に置かれてきたのかによって形作られていくものだと思うんです。それは私自身、人生の中でも感じてきたことでしたし、この作品に触れて改めて考えさせられました。
    ただ、その環境も、ひとつのきっかけや人との出会いによって変えていくことができる。カロリーナを見守る人たちは本当に温かくて、協力的で、愛にあふれているんですよね。一方で、フローラを中心に見ていくと、“完璧聖女”と呼ばれるがゆえの苦しみや、彼女が抱える苦悩も描かれています。そういう意味では、愛の物語でありながら、ラブロマンスだけではなく、人間の成長や、それぞれの戦いを描いた物語でもあると感じました。
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