クランクイン!
  •  ジューンブライドの6月。映画史に残る名作の数々の中には、結婚式が印象的なものも少なくなく、また、そのシーンには深いメッセージが隠されていることも。今回は結婚式シーンが印象的な名作をピックアップ!
    ■1960年代 『卒業』
     もはや結婚式の名シーンとして定番なのが、映画『卒業』(1967)だ。ダスティン・ホフマンの映画デビュー作にして出世作で、「サウンド・オブ・サイレンス」「ミセス・ロビンソン」などサイモン&ガーファンクルの挿入歌もヒットした。
     大学卒業を控え、進路が決まらず悶々と過ごす主人公の青年ベンジャミン(ホフマン)が、幼なじみのエレーン(キャサリン・ロス)と再会し、惹かれ合う。ところが実はベンジャミンは彼女の実母と関係を持ってしまっていて…というドロドロ展開もさることながら、これまで古今東西あらゆるフィクションでパロディにされているのが、ベンジャミンが別の男と結婚しようとしていたエレーンを結婚式場から連れ出すシーン。奪還が見事成功し、ウエディングドレス姿の彼女と共にバスの後部座席に座るシーンはハッピーエンドかと思えるが、エンドロールに切り替わる寸前に真顔になる2人は、その後の長く険しい結婚生活を暗示している。
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